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蕎麦打ち「稲光」
場所は小牧市武道館の東
若草公園の北側に面しています。
1日十食限定の十割そばが絶品
実直なオーナー稲垣さんが打つ手打ちそば。とにかく風味があります。
斉藤「十割そばをいただきましたが、ほんと美味しいですね。打ち方がポイントですか?」
オーナー「ありがとうございます。美味しいのはシーガルフォーの水も関係しているんですよ。」
斉藤「というと?」
オーナー「そば粉に水を加えながら水をまわしていく時、美味しさのすべてが決まりますから。当然いい粉、いい水でなければ美味しいそばは打てません。塩素のはいった水では話になりません。シーガルフォーは軟水で程よくミネラルを含んだ水で申し分ないですね。」
斉藤「ありがとうございます。原料のそば粉について教えてください。」
オーナー「手打ちに向くそば粉は水分量が適度に多く、香りが高く、もっちりしています。粗挽きなのにしっとりしています。国産で最も優れた風味があると言われている常陸秋そばや、福井、安曇野、北海道を使い、十割は八ヶ岳を混ぜて使っています。」
作ることが難しいからこそ満足なモノが出来た時の喜びはひとしおです。
斉藤「やはりそばは年によっても出来、不出来があるのですか?」
オーナー「もちろんです。そばを打っていると食べるよりも、その産地や品質の違いがよく分かります。それと美味しいそばを打つためには、気温・湿度とそば粉の水分のバランスをみることが大切です。八割そばぐらいだと二割の小麦粉のつなぎのおかげで、水の加減のレンジが広く取れますが、十割だときっちり水分を合わせなければならないので、そこが難しいですね。小麦粉が多いとのどごしがよくて、ゆでた後ももちますが、十割はすぐのびてしまいますね。そば粉に水をまぜながら、たまを作るのは簡単なようにみえますが、これを体得するには最低3年かかると言われているくらいです。1年365日同じ条件はありえませんから毎日水の量は変わるんですよ。」
斉藤「なるほど、それほど精細なのですね。こちらではそば粉は粗挽きを使用しているのですか?」
オーナー「そうです。関東は白めのそばで蕎麦粉のメッシュも細かめですが、うちは24メッシュとやや粗めです。粗いほうが香りがいいから。ただ、これ以上粗くすると、十割そばはお湯でまわさないとつなぎができないので。このあたりが限界です。」
斉藤「やはり奥が深いですね。」
オーナー「そうですね。打ったそば1本にその日の体調がでるし、心が映しだされる。だからそばを打つことは面白いし、やめられないですね。」
十割そばは1日10食しか出来ませんが、心を込めお作りしております。一度お召し上がり下さい。
斉藤「ところでオーナーは脱サラしてこの店をオープンされたんでしたね。何がきっかけだったんですか?」
オーナー「28年間サラリーマンをやっていましたが、15年ほど前に長野の長坂の翁という店の高橋さんという有名なそば打ちの方のそばを食べてびっくりしました。香りが高く、いままで食べてきたそばとの違いに感動して…。その後自分でもそばを打ちたいという気持ちが芽生え、サラリーマンの時日本そば打ち保存会の堀尾会長の下で指導してもらいました。名古屋の有名店、沙羅饗(サラザン)の服部師匠の下でも約5年間、月に4〜5日修行させていただきました。」
緑の暖簾が目印です。
斉藤「ちょっとしたきっかけが稲垣さんの人生を大きく変えてしまったんですね。」
オーナー「ええ、これからもいいそばを打つことを徹底して突き詰めていきたいですね。」
斉藤「今日はありがとうございました。」
編集後記
そばは稲垣さんの実直さがそのまま味に出ている感じで自然な美味しさでした。
そば茶も風味とコクがあり、まろやかなそばの甘さが絶品でした。
お店には暖炉があり、寒い日でもほんのりした暖かさがいいですね。
小牧付近の方は一度、十割そばにトライしてみてください。
愛知県小牧市掛割町80
TEL:0568-43-0041
営業時間:11:30〜14:30 17:30〜20:30
定休日:火曜日・第1・第3水曜日
駐車場:10台
HP:http://www.me.ccnw.ne.jp/inakou